「そうなんじゃ、わしは知っとるんじゃ」というのは老人の役割語、「そうですわ、わたくしは存じておりますわ」というのは貴婦人の役割語である
。現実の老人や貴婦人がそのように話すのではなく、(外国作品の字幕、吹き替え、もしくは外国を舞台にした作品での当該国人物も含めた)
日本語話者が物語作品や
メディアを通じて特定のイメージを持つに至った言葉遣いである。これらは様々な作品、特に子供向けのものや
漫画・
アニメにおいて、
登場人物の役割を示すのに使われる。物語の中で、老人としての役割を担う登場人物は老人の役割語を、貴婦人としての役割を担う登場人物は貴婦人の役割語を話すのである。金水は、役割語のイメージ喚起力を認めつつ、役割語の多用は陳腐さと表現の狭さをもたらすことを指摘している
。また役割語は
差別的なステレオタイプに鈍感であり、安易な役割語の使用は、時として表現者の意図した、あるいは意図しない偏見・差別意識を伝えてしまう場合もあると金水は述べている
。
一方、方言のステレオタイプはある程度日本語と似ている。
ソウル方言は
東京方言と同じように標準的で都会的というイメージがあり、北部の
咸鏡・
平安方言は東北方言と同じように素朴で地味というイメージがある。